へべすのアロマオイル。
2014年の創業以来、熊野農園の商品ラインナップに入っているがイマイチ存在感が薄いのがへべすのアロマオイルだ。
価格は、5mlで¥2700(税込)と高価なのもその理由だろう。
高額になる理由はその希少性からで、へべす青果から採れる天然のへべすアロマオイルは、わずか0.1%しかない。
手間暇かけて、1,000kgのへべすから得られるオイル量は、わずか1kgなのだ。
抽出方法も水蒸気蒸留という、他の方法(圧搾、溶剤)と比べ抽出量が少ないが安全性は一番高いので、これ以外の選択肢は今のところない。
なんでこんな面倒なものを作っているのかというと、この天然のへべすオイルが熊野農園の商品核となっているからである。
抽出されたへべすオイルは、これまた特別な手法でパウダー化されて(外部委託)、へべす抽出物の名称で調味料(へべす一味や七味)にブレンドしている。
「へべすが香る七味とうがらし」など商品名に香りを強調しているのはアロマ由来の調味料だからで、他社の類似商品とは一線を画している。
ちなみに他の類似商品(ゆず七味など)は、ほとんどが単純に果皮を乾燥させて粉末化しただけのもので、大量生産も可能だろう。
アロマ話に戻る。
へべすの香りの主成分は他の柑橘類と同様に、リモネンという成分を多く含んでいる。
多くの人がへべすの香りは癒し効果が高く、リラックスできると言う。
なのでへべすの香りはもしかしたら快眠効果が高く、不眠に悩む人の手助けになるのではないかと考えた。
そこで実際に自分で寝るときにアロマストーン(アロマがほのかに香る石)にへべすのアロマオイルを数滴垂らし枕元に置いて寝てみた。
写真左が無印良品のアロマストーンで、右はへべすの枝を加工して自作した木のアロマディフュザー。
結果はというと、目が冴えてしばらく眠れなかった。
お金儲けのことが頭をよぎったりして興奮したせいかと思いつつも、リモネンという成分について調べてみた。
すると、リモネンは「眠気を覚まし、頭をすっきりさせ集中力を高めてくれる」効果があるとのこと。
なんと快眠とは真逆のものであることが判明。
香りがいかに脳に影響するはか実証できたが、へべすの快眠ビジネスはもろくも崩れ去ってしまった。
何のこれしき。
ここでヘコたれている場合ではない。
眠気を覚ましリフレッシュさせてくれるへべすのアロマは、何か物事に集中したい人(時)に適しているのだから需要は多いはず。
たとえば、受験生などもってこいだ。
ふだんの受験勉強はもちろん、本番の試験の時もマスクに貼れるアロマオイル用シールを使えばバッチリである。
長距離を走る車のドライバーやデスク仕事など。
徹夜仕事をしている人。
良い感じだ。
では、快眠や眠りの質を向上したいときによいアロマオイルはというと、調べてみると代表選手はラベンダーだった。
早速ラベンダーオイルを取り寄せて、しばらく就寝時に使ってみることにした。
もともと不眠でない私が使っても効果をあまり実感できていないが、いつにも増してよく寝ている気がする。
やはり私では信憑性に欠けるので、不眠で悩んでいる友人にへべすとラベンダー、アロマストーンをかってに送ってみることにした。
もしこれで友人の睡眠の質が向上したらすごいことだろう。
心をオン・オフできる「へべすとラベンダーのととのうセット」みたいな感じで販売しようか。
もう名前まで決まっているではないか!
と思うかもしれないが、実はこのアロマ記事を書き始めてから2週間ぐらいたっているので、どんどん妄想が現実へと走り始めているのである。
ちなみに記事を書き始めたときはアロマストーンの存在すら知らなかった私が、オリジナルのアロマストーンを製造しようと考えている。
制作をお願いしようと考えているのは門川町に唯一ある窯元「庵川焼 遠見窯」さんだ。
薪窯で陶器を焼くのは、1年に1度だけ。
作品はどれも素朴で暖かみがあり、親しみやすいのが印象だ。
焼くのは1年に1度だけなので、試作なしのぶっつけ本番1発勝負で秋ごろお披露目しようと思います。