ここ最近、門川某所にある熱帯ジャングル(農業用ハウス)で作業をしている。
植えてある樹は、宮崎県特産の日向夏みかん。
真ん中にある道らしきものは本来ちゃんとした通路のはずなのだが、獣道のようで冒険者の行く手を阻んでいる。
オーナー(義父)の高齢化とともに畑がジャングル化していったわけでなく、昔からこんな状態。
時代がそうさせたのか作業合理性なんてものは無く、ただひたすらに収穫量という数字だけを追い求めてきたからであろう。
これでは農薬が隅々までかかるわけはないので、管理が不十分になるとこんな地球外生命体も大量発生する。
名前は、カイガラムシ。
カメムシの仲間らしいが、とにかく気持ちが悪い。
カイガラ虫は白いロウのようなものに身体が覆われているため、農薬が効きにくい。
しかもハウスでは天井にビニールが張られているため、露地のように強雨で流されることはない。
このカイガラムシの排泄物により、みかんの木がいたるところで炭のように黒くなっている。
真っ黒で手遅れになっている木もあり、とりあえずカイガラムシを駆逐するため枝をバンバン切っていくことにした。
そして何より、獣道をちゃんと人が通れる道へ作り変えることが自分の最重要ミッションである。
こうして一切お金にならない重労働が何日も続くことになるが、この試練・鍛錬・修行・苦痛、投げ出したい、がいつの日か人並みの生活が送れるようになるためのものだと願いつつモチベーションを保とうと思う。
さて。
剪定した大量の枝はどうするかというと、焼却するのが一番なのだが、焼き場まで遠い上に量が多すぎるのでコチラを購入した。
ウッドチッパー。
価格は、250ccのバイクを新車で購入できるくらいだろうか。
貧乏から抜け出せない原因のひとつが、間違いなくこういった設備投資だろう。
気を取り直して。
この機械は5センチぐらいまでの太さの枝なら、細かく粉砕してくれる優れものだ。
欠点は、とにかく音がうるさい。
説明書に耳栓が同封してあった理由が、よくわかった。
肥料代が高騰している今、剪定枝をチップにして土に帰せば肥料になるから良い買い物をしたと思うことにしよう。
そう思うしかない。