農家になるとサラリーマン時代には無縁だった色んな道具や機械を使うようになります。
剪定ばさみと鋸。
これは、言わずもがな。
使わなそうな日でもとりあえず腰にぶら下げてます。
草刈り機。
露地農家が一番使う機械です。
農家のミッションは、社会への食糧供給と環境保全だと思って頑張ってますが、環境保全つまり景観を保つためのボランティア労働に時間をとられ過ぎてます。
これを春先から秋頃にかけて頻繁にしないといけないから農家は貧乏なんじゃないかと思うほどです。
高齢になると身体的にも厳しくなり除草剤を散布して維持します。
誰も除草剤をかけたくてかけてるわけでは無いのです。
声高に除草剤は悪だという人は、環境にやさしく高齢になってもできるような代替え案をお願いします。
草刈り刃を研ぐ機械。
使い捨ての草刈り刃では、いくらお金があっても足らないので自分で研ぎます。
自走式の草刈り機。
これが使える平坦な畑なら、断然楽だし早い。
動力噴霧器。
農薬や栄養剤など薬剤を散布するときに使います。
この他にホースと散布ノズル、薬剤を入れる500Lタンクを軽トラに乗せます。
風向き次第で自分に降りかかるので、殺虫剤を散布する時は寿命が縮んでいる気がします。
こうしてみると果樹栽培はトラクターのような大きな機械を購入しなくて済むので、
新規就農でも参入しやすいと言えますが、ほとんど使わないけど時々必要なものが細々あります。
鍬やシャベル、鉄製の熊手などなど。
そして現在、牧山みかん畑の整備で必要不可欠なチェーンソーです。
林業などで山師さんが木を切り倒すために使う道具です。
畑には伐採した杉の大木がたくさん転がっているけど、あまり片付けが進んでいません。
その理由が、私のチェーンソーの切れ味が悪い為です。
山の中で果樹を栽培しているので、チェーンソーはよく使います。
でも、素人にはチェーンソーの刃を研ぐことが難しいです。
チェーンソーの研ぎ方をインターネットで調べて自己流でやってはみるけど、いつまでたっても切れ味が悪いです。
ところが最近、ワークキャンプ実行委員のせいさんが仕事の合間によく畑に来てくれて、スパンスパン大木をチェーンソーで切ってるのです。
山師さんじゃないのに。
聞いてみると親父さんが山師の仕事をしていて、チェーンソーを借りてきたとのこと。
試しにそのチェーンソーで切ってみると、力を入れずにスルスル切れるではないか。
しかも、何日も来てくれて作業しているのに1回も刃を研いでないとのこと。
これは、本気で研究しないとだめだと思い、チェーンソーの刃がどうやって木を切断していくかの原理を学ぶことにしました。
youyube先生です。
良さげな動画がありました。
https://www.youtube.com/watch?v=dqeKvC9NmoY
なるほど。
自分の研ぎ方のどこがまずかったかがわかりました。
チェーンソーが木を切断する原理は、上刃でまず木を削ぎ横刃でそれを切断します。
横刃にばかり目がいき、完全に上刃について見落としてました。
そして、やすりだけでは肝心な上刃が研げていないことがわかりました。
ちゃんと研ぐにはそれなりの道具も必要という訳で、早速アマゾンで注文。
左から、①チェーンソー本体を固定する道具②固定バー付きやすり③ダイアモンドやすり
①まず本体がぐらぐらしてたら安定して研ぐことができないので、固定具は必須です。
②やすりと高さを固定するバーが一体になったもので、チェーンソーの刃の高さにやすりを合わせられる道具です。
これが、めちゃくちゃ大事だった。
現場で軽く研いでから作業してみると、、切れ味がだいぶ変わった気がします。
今度は自宅でじっくり研いでみようと思います。
果樹農家の道具シリーズは、いかがでしたか。
作る作物によって機械は変わりますが、農業という個人産業はお金がかかりますね。
まず道具を揃え、次に道具を保管する倉庫を建てる。
苗木を植え肥料を与え、農薬を散布し、5~6年かけて木を大きく育てる。
ようやく育ったと思ったら不作、台風なんてことも。
新規就農者の3割以上は、4年以内に離農している現実。
離農せず来年でちょうど10年目を迎え、耐え抜いている私はエリートなのかただの我慢強いだけなのか。
いやいや、妻の頑張りでしょう。
いったいいつになったら軽自動車から普通の自動車に乗れることやら。
娘たちが小学校にあがり、送迎用のミニバンを所有していないと子供がいじめられるという噂も。
そういえば、見渡すと猫も杓子もミニバンばかり。
子どもたちよ。
貧乏をバネにして、たくましく育ってくれ。
へべすのように。
果樹農家の道具の話が、いつの間にか貧乏話になってしまいました。
いかんです。
昨日はクリスマスイブということで、恒例の手作りピザを焼きました。
生地も手作り。
最近のオーブンは性能が良くなったので、美味しいピザやパンが焼けます。
牧山で獲れたアボカドとみちお君から貰った新鮮もぎたてミニトマトをトッピングです。
チーズたっぷりのせて出来上がり。
食べ過ぎて下痢になったけど、美味しかった。
旬なものを食べられるのは、農家の特権か。
明日もがんばろう。