このたびお殿様より下知がくだされ、ことし3度目となるハウスの長期重労働をやっている。
今日で9日目。
梅雨の晴れ間は貴重だが仕方ない。
1度目の指令は、ハウス内のジャングル改善(8日)。
2度目の指令は、古いビニールはぎ(1日)。
そして3度目となる指令は、ハウスをぐるりと囲むように防風林として植えられている杉の剪定作業だ。
長さ40mが3棟と他1棟が連なったハウスと倉庫がある敷地を取り囲んでいるわけだから、植えてある杉の本数もべらぼうである。
しかも非常にやっかいなのが、長年剪定してきた杉の枝を木の根元に放置してきたので、敷地外の公共の道路にまではみ出していることだ。
杉に含まれる油がとても抗酸化率が高いからなのかわからないが、だいぶ昔の枝まで腐らずに原形をとどめて積み重なっている。
試しに緑の葉が付いた杉の枝を切って、そのへんに放置して観察してみるとよくわかるが、軽く1~2週間は葉が青々としたままだ。
もしかしたら、人体に有毒でなければ最高のアンチエイジング原料になるのではと思ったりもする。
話は戻る。
まず杉の剪定の前に、何層も積み上げられている枝の撤去をしないと話にならない。
軽トラに枝を積み込んでは、山奥のへべす畑にある空き地に持って行く。
これを半日で4~5往復程度繰り返す。
奉仕作業を1日中していると腰と心が壊れそうになるので、いつも半日でやめている。
単純作業なので頭の中は暇なせいか古代の妄想が広がっていく。
エジプトのピラミッド、日本の城、欧州の宮殿、インドのタージマハルなど。
いつの世も下民は権力者の鶴の一声で招集され強制労働を強いられるなと。
今日で9日目だから、1日5往復したとしてトータル45往復したことになる。
いったいいつまで続くのか、この無収入の無限地獄。
枝の撤去が終わったら、今度は剪定が始まる。
そしてまた撤去。
いっそ全部根元から切り倒して、防風ネットに変えたらどんなに管理が楽になるだろうか。
それには資金がいるから、おいそれと実行出来ない。
ちゃんとハウスで収益を上げれる計画が必要なのだが、まだ何も決まっていないしお殿様の意向もある。
心の奥底で自分がハウスの管理ができるのだろうかという疑問が渦巻いているせいか、思考が停止してしまうのだ。
とりあえずへべすだけきちっと管理していれば、貧しいながら何とか食べていけるようになってきた。
余計なこと(栽培)をしなければ、その余った時間をへべす業の向上に磨きをかけることができるのだからやめた方が良いのはわかっている。
だが悲しいかな、どこもかしこも後継するものおらずでいよいよ瀕死の状態の農業界。
近い将来食料の需給バランスが崩れてくることは明白なのに、結局はまだ他人事。
来年50となる私の髭が、いつの間にか白いものが多く混じるようになった。
いやほぼ白くなってしまった。
いま話題のシェフのようにモテたくて私もしばらく髭を剃らないことにしたのだが、禁断の恋にうつつを抜かしている時間はなさそうだ。
いつまで農業ができるだろうか。
漠然と70で引退しようと考えているので、あと農業活動ができる時間は20年しかない。
はぁ~
どうすっかな。
禁断の恋ではなく、禁断のハウス。
話変わって、へべすのお客様から嬉しい美味しい頂き物が届きました!
うちのへべす果汁を使用したポン酢です。
早速、カツオを買ってきて炙って食べました。
旨い!
おいしいは、幸せだ。
ちなみにこのへべすポン酢は、奈良県の魚料理を得意とする「さくら茶屋」さんのプロデュースなので、刺身との相性も抜群です。
幸せの素をつくる農業や漁業に乾杯!