へべすのある山へ、苗木の支柱にするための竹の切り出しに向かった。
3月中旬ころワークキャンプを開催して、牧山に植える予定だった日向夏苗木が、もう届いてしまったからだ。
昨年は200本。
今年は100本と、わりと大口であるにも関わらず、苗木の到着予定は春ごろとしかこちらに伝えない。
しかし、何なんだろうか。
このアバウトすぎる苗木の配達。
不動産の敷金礼金みたいなもので、悪しき慣習が今だに残っているとしか思えない。
苗木業者からすれば、2月も3月も春だろと答えるに違いない。
苗木を3桁植えるのにどのくらいの労力がいると思ってるんだ。
一人で1週間もかければ終わるだろうが、その間苗木も弱る。
せめて3月上旬、中旬、下旬ぐらいと告知して送ってほしい。
3月上旬に送るといって、2月末に届いても全然許せる範囲だ。
桃太郎になって、この苗木業者の悪習をたたき直してやりたい!
画像:山東庵京伝著『絵本宝七種』より
と、ちょっと強引に桃太郎話へ。
竹の切り出し話に戻る。
いつものように山道を軽トラで進んでいくと1匹のキジとすれ違った。
キジは警戒心が強く、たいていすれ違ってもすぐに山に隠れてしまうのだが、こいつは違った。
すれ違いざまこちらの様子をじっと伺っていた。
そこから1分ほど車を走らせて、へべす畑に到着。
へべす畑の隣の用水路を挟んだところにある竹林で竹をせっせと切っていると、柵に囲まれたへべす畑の中で先ほどのキジがうろうろしているではないか。
誰かが飼っていて逃げ出したのだろうか。
柵沿いを行ったり来たりして、こちらの様子を伺っている。
竹の支柱を100本つくり、畑に戻るとキジが足もとにやってきて時おり私の長靴を蹴り飛ばしてくる。
威嚇か愛情表現かわからないが、爪があたってけっこう痛い。
しつこいので、軽く蹴とばすが何事もなかったようについてくる。
あまりにしつこいので、さっさと竹を車の荷台に載せて帰ることに。
車を走らせるとバックミラーにキジがものすごい勢いで飛んで追いかけてくるのが見えた。
まるでストーカーである。
速度を上げ、なんとか振り切ったのでした。
おしまい。