農業とは孤独だ。
特に私の場合、山の中に畑があるためめったに人に会わない。
もし仕事中にコロナに感染したならば、感染経路は鳥がウィルスを運んできて私の口に糞を落としたときぐらいであろう。
今月から農業関係の集まりやイベントなどが軒並み中止となり、より一層孤独になった。
これで家族がいなければ寂しすぎて、夜な夜なスナック通いして身体を壊し孤独死しているかもしれない。
そして、寂しいことに加工品の発注量も目に見えて減ってきた。
毎年、正月明けから~2月頃までは売上げは悪いのだが、今年は今だに低空飛行が続いたままだ。
このままの状態がつづくと基礎体力がゼロに等しい熊野農園というか熊野敏行という人間は、妻のヒモとなるだろう。
ん?
今とそう変わらんか。
何だかんだで一人農業、加工業の居心地は悪くなく続けてきたが、そろそろ将来を見据えて少しづつ
別の方角へ舵をきる時なのかもしれない。
どんな未来が待っているのか想像してみると。。
農業後継者はもちろんいないし、今の現役世代(70代)が引退するとなると農業人口は半分以下に減るだろう。
夢や希望を持てず地域農業は、衰退し田畑は荒れ果て放棄された山林では猪や鹿が群れをなしている。息も絶え絶えで生き残った農家は、高齢化と深刻な鳥獣の被害に向き合いながらも何とか頑張って市場に農産物を供給するも低価格取引でやる気を失う。
そのうち依存してきた輸入食料品の価格が急騰し、その勢いに押され国産農産物の価格も上がるが、すでに国内農業は破綻している。
政府の手厚い保護のもと大手から中小まで農業へ参入するが、なかなか供給量が上がらない。
物価は上がるが、サラリーマン世帯の所得は横ばいのため個人消費が下がりまくりで経済自体が壊れ始める。
原因不明のウィルスが蔓延し、ゾンビと化した人間が。。。
想像が飛びすぎた。
しかし、アジアをけん引してきた日本は遠い遠い昔のこと。
つい最近まで途上国だった国と比べても日本の物価の方が安いと聞く。
ではこれからどう動くか。
大都市圏の消費に頼りっぱなしの経営を少し見直すべきではないかと考える。
現在、都心へ送る農産物や加工品の割合は9割以上で、地元へはほんのわずかである。
これを逆転まではいかないまでも、7:3ぐらいまで持っていけるような、ローカル地域の中で経済(食)が循環するような仕組みがつくれないだろうかと考えている。
門川町の人口は、1万7千人であるから、地元で消費できる胃袋は小さい。
しかし隣の日向市は6万と延岡市の12万を合わせれば約20万人いるではないか。
うまく循環できれば面白い場所となり農業などの担い手が集まるかもしれない。
農業者だけで集まっても上手くいかないだろう。
お金の流れる道をまず描かなくては。
後はその道に沿って、それぞれに核となる人員を配置する。
参考ビジネスモデルは、徳島県神山町が民間と行政が共同で作り上げている「フードハブ・プロジェクト」。
http://foodhub.co.jp/about/project/
パン屋は、良いアイデア。
みんなが好きなものは、やはりいいもんだ。
今もこのプロジェクトが成功しているとすれば、キーはパン屋であろう。